2008年3月2日日曜日

老いと働くこと

最近お会いした、有馬温泉の兵衛向陽閣の女将は当年81歳。しかし、どうみてもその年齢には見えない。女将とお話したときに、その若さの秘訣は何ですか?とお聞きしたら、「それはね、毎日緊張して、仕事をすることなんですよ。やっぱりねぇ、働くことで、色々な人と出会うし、身なりも綺麗にしなければいけないし、刺激になるんですよね」とのこと。
私は、一つ信じていることがある。それは病は気から、老いも気からである。「もう歳だから」といっていたら、本当に老けてしまう。体調がさほど悪くなくても、体調が悪い、調子が悪いって言っていたら、本当に病気になってしまう。まずは、自分が老いてしまったと思わせないことだ。そして、毎日毎日、緊張感をもって色々な人たちと出会うことだろう。それには、まさに仕事を続けることが大切だ。
日本は定年退職制度がある。60歳程になってしまうと、仕事をしてもらうのではなく、ゆっくり悠々自適の時間を過ごしてもらおうと、退職させてしまうのだ。社会的隠居制度と言って良いだろう。その隠居制度は、高齢者に心優しい制度のように思えるかもしれないが、最近は残酷なことではないかと思うのだ。つまり、社会からの高齢者隔絶制度であり、急速に老いを負わせる(老けさせる)のではないかと。定年退職させるが、即再雇用すればいいじゃないか。本当に働きたい人たちが70歳、80歳までも働ける社会を作るべきではないか。特に、高齢者を見ていると70歳は、まだまだ普通に暮らしている人が大部分なのだ。
しっかり現役の旅館女将として活躍している方とお会いして、そんなことを思った。