2010年12月2日木曜日

書評:アメリカ人はなぜ肥るのか

アメリカに行くと、本当に肥満だらけだ。BMI30以上を肥満 obese と呼ぶが、米国市民の30%にも達する勢いだ。BMI25以上は太り気味 overweight と呼ばれるが、6割以上と言われている。ちなみに、日本ではBMI25以上を肥満と呼ぶ。米国は、今や肥満大国だ。結果として、肥満原因の病気増加による 医療費の増加だけでなく、米国軍における新兵採用プロセスでの不合格率の上昇による兵員充足率の減少、さらには飛行機や公共交通機関での燃料効率の悪化な ど、とにかく肥満は社会の敵なのだ。しかし、この肥満を増やしているのが、米国外食・食料品・飲料産業なのだ。デブは作られている。基本的に、高カロ リー、高炭水化物、低栄養素食品が蔓延しているのだ。
さらに、食生活も食べ過ぎを蔓延している。とにかく味が濃く、脂っこく、しかも大量なのだ。これは、コーラに代表されるソーダ飲料を定常的に 飲むことから、味覚音痴になっている。味が濃くないと不味いと判断してしまうようになっているのだ。このような外食産業の社会展開(例えば学校で清涼飲料 水を売る)ということで、デブがシステム的に作られるのが米国だ。
この傾向は日本にもやってきている。メガ食は、その明確な証拠だと筆者は言う。怖いなぁ。ちなみに、メガ食は、米国でBurger Kingが売り上げを伸ばすために導入した、明確な経営戦略だったそうな。作られたメガ食なのだ。
デブにはなりたくない。本当に意識をちゃんともって食事管理をしなければデブになる。日本でもそういう状況だ。気を付けなければ。
ちなみに、米国で優秀なレストランは、どんどん軽い味付けと香りをもった食事を出している。量も適切。ところが、安価な物になればなるほど、味が濃く、脂が多い。肥満は、貧困によって外食産業の餌食になることが多いのだ。これも日本でも気を付けなければならない。
本書は、このような状況を簡単に理解することができる良書であると思う。