2011年2月7日月曜日

書評:「がまん」するから老化する

抗加齢(anti aging)は最近注目の話題の一つだ。実際、70歳で老人そのものの人も居れば、若々しく暮らしている人達もいる。おいらの親父様は78歳だが、本当に 若々しい。全く苦労なく歩き、一人で出かけ、活動的に暮らしている。おいらも、老いてもやはり若々しく暮らしたいと思っている。そうなると、どう老いてい かないか、加齢にどのように抵抗するのかが関心事になるのは当然だ。そんなことで、本屋の店先に平積みされていた本書を手にとってみた。
本書が主張するのは、抗加齢について、これまでの常識といわれていたことが、実は余り正しくないことが分かってきたことを伝えている。たとえば、メタボリックシンドロームで多くの人達が注目したBMIだが、わが国では男性の肥満はBMI25を超えた人達と定義されている。しかし、長生きという視点でみれば、実はBMI25-29のゾーンにいる人達が統 計的にも長生きするのだ。コレステロール値も225以下にしなさいという健康指導が行われるが、それ以上の値を叩き出している人達が長生きで、またコレステロールはセロトニンの運び役ということが分かってきて、ぼけ発症がしにくいことも分かっているのだ。
そんな色々なことを伝えながら、実はストレスが一番の抗加齢の敵であることを明らかにし、日本人の「がまん」を美徳とする姿勢が、実は老化を 加速させるということを主張する。加齢を遅らすためには、活動的な生活をすること、楽しいことをすること、精神的刺激(喜び、笑い、感動)取り入れるこ と、適度な運動、そして、実は美食なんだそうだ。ワインもとても良いと。さらに心が躍動する恋やSEXも、抗加齢にとても良いそうだ。つまり、奔放に生き ろと主張するのだ。自由人で活動的であれと言う。なるほどね(喜)
ちなみに、本書はフォントサイズも大きく、飛行機に乗っている間に読了してしまった。ちょっとね、中身については薄っぺらいし、データ等を 使った論証も少ない。さすがにね新書ブームとはいえ、ちょっと粗製濫造を感じるなぁ。もう少し練った読み物として、ある程度読み応えの有るモノにして欲し いものだ。
ということで、この本だが、立ち読み等で、読みたいところを拾い読みすれば十分読了できる。いや、いや、いや。そんなことを推奨しては、よろしくないね。もちろん、みなさん、買って、読んでください。