2008年10月29日水曜日

Depression is a chance

「不況はチャンス」ってことを思っている。
過去の歴史を振り返ると、経済状況が苦しい時ほど、 イノベーションが引き起こされている。実際、日本も1970年代前半のオイルショックで、原油価格が従来の4倍になるという、前代未聞怒濤の状況に追い込まれたときに、2, 3年で産業構造転換を行い、さらに、省エネ型企業経営を実現したのだ。その意味で、イノベーションを生み出だす状況になってきたと、期待したってよいはずだ。何故か?
これだけ世界中の経済システムがおかしくなって、不況に突入するということは大変なことだ。しかし、同時に、色々なこと に使えるお金は制限され、投資効率を如何にして高めるかということを考えなければ、競争性を高めることはできない状況に、我々は否応もなく突っ込まれることになる。しかし、単純に事業縮小によるコス ト削減は、競争力を低減させる。一方、労働者の労働生産性を上げることは、短時間に達成することは非常に難しい。特に品質維持と労働安全性を確保することを考えれば、労働生産性を労働者の努力だけで改善するのは限界がある。
ここで何が必要になるのかといえば、イノベーションによる、システムの変革と、劇的な生産性向上である。少なくとも、根本からシステムを変えることができるのは、こんな危機的状況につけ込んで行うしかないではないか。「このまま何もせずに死ぬか、やれるだけのことをやりきって死ぬか。どっち」と問われれば、当然挑戦するほうに行くだろう。そこまでの危機的な状況に追い込まれれば、イノベーションは必然なのだ。不況が劇的なものであればあるほど、イノベーション無き企業(システム)は、淘汰されるのだ。社会ダーヴィニズムを肯定する気は無いのだが、そのアイディアには共感できるところがある。突然変異=イノベーションによる環境適合。
不況はチャンスである

2008年7月26日土曜日

権利とは勝ち取るもの

映画「ボーリングフォーコロンバイン」の中で紹介されたけども全米ライフル協会 (NRA) の会長だったチャールトンヘストンが、2000年の大統領選挙の時に、銃規制に積極的な Al Gore 大統領選候補に対して、NRA総会で、こういうのよ。

As we set out this year to defeat the divisive forces that would take freedom away, I want to say those words again for everyone within the sound of my voice to hear and to heed, and especially for you, Mr Gore: 'From my cold, dead hands!'

「我々の自由を奪いアメリカの統一を妨げる脅威を今年打ち負かすために、私の声を聞いて心に留めてくれる人々全員にあの一言をもう一度言っておきたいのです。特に、ゴア氏、あなたに聞いて欲しい。『私は死ぬまで銃を手放しはしない!』」

ちなみに、この最後の有名な文句は、NRAのスローガンである "I'll give up my gun when you take it from my cold, dead hands." (私が死んで冷たくなった私の手から銃を奪われるまでは、私は銃を放棄しない) に由来するもの。

権利とは為政者から与えられるものではなく、民衆が勝ち取るものだ。そのくらい暴力的な闘争であるのだ。全米ライフル協会の主張が正しいなんてことは絶対に言いたくないが、「権利とは闘争の結果勝ち取るものだ」ということを表していると思うのだ。

最近、インターネットは悪いものだから、どんどん規制しようとする体制側が目に付く。これに対して、反対声明を出したりすることやっているが、何かしっくり来ないものを感じている。より広く、規制強化をしようとしている体制側に対して、我々は何ができるかを、「闘争」という方法も含めて考えなければならないのではないか?


2008年3月2日日曜日

老いと働くこと

最近お会いした、有馬温泉の兵衛向陽閣の女将は当年81歳。しかし、どうみてもその年齢には見えない。女将とお話したときに、その若さの秘訣は何ですか?とお聞きしたら、「それはね、毎日緊張して、仕事をすることなんですよ。やっぱりねぇ、働くことで、色々な人と出会うし、身なりも綺麗にしなければいけないし、刺激になるんですよね」とのこと。
私は、一つ信じていることがある。それは病は気から、老いも気からである。「もう歳だから」といっていたら、本当に老けてしまう。体調がさほど悪くなくても、体調が悪い、調子が悪いって言っていたら、本当に病気になってしまう。まずは、自分が老いてしまったと思わせないことだ。そして、毎日毎日、緊張感をもって色々な人たちと出会うことだろう。それには、まさに仕事を続けることが大切だ。
日本は定年退職制度がある。60歳程になってしまうと、仕事をしてもらうのではなく、ゆっくり悠々自適の時間を過ごしてもらおうと、退職させてしまうのだ。社会的隠居制度と言って良いだろう。その隠居制度は、高齢者に心優しい制度のように思えるかもしれないが、最近は残酷なことではないかと思うのだ。つまり、社会からの高齢者隔絶制度であり、急速に老いを負わせる(老けさせる)のではないかと。定年退職させるが、即再雇用すればいいじゃないか。本当に働きたい人たちが70歳、80歳までも働ける社会を作るべきではないか。特に、高齢者を見ていると70歳は、まだまだ普通に暮らしている人が大部分なのだ。
しっかり現役の旅館女将として活躍している方とお会いして、そんなことを思った。