2012年3月6日火曜日

書評:エコ亡国論 / 澤昭裕

鳩山首相は「1990年比CO2▲25%削減」という削減目標を突然国連総会で述べ、驚きを持って世界中に迎えられた。その驚きは日本を讃えるものではな く、「鴨がねぎを背負ってやってきた」というものだ。日本がこれを達成目標とした場合には、法的拘束力により、達成できない場合には、義務的に排出権枠を 買い取らざるを得ない。すなわち、諸外国や金融機関は、仕入れておいた排出権を、日本に高く売りつけることができるのだ。こんなことも分からないまま、こ んな無責任な提案をした民主党政権への怒りを背景に、このような公約が日本経済に大きな影響を与え、エコ不況を引き起こす高い可能性に警鐘を鳴らす。実 際、地球温暖化交渉は国益を巡って、本気の外交交渉を展開する場である。その中で、日本の外交交渉は、稚拙なものになっている。これには、民主党政権の無知と能力不足だけではなく、やはり官僚の能力不足も否定できない。このような状況を作り、義務的負担を国民に押しつけるとしたら、それは国民に対して誠実 な政治とは言えないだろう。民主党は猛省すべきである。

0 件のコメント: